あらすじ

辺境伯爵家の次女・ルーシェ・アルヴァンは、生まれつき「魔力ゼロ」とされてきた。貴族社会では魔力のない者は肩身が狭く、婚約破棄も経験した。家族から王立医術院に送られたのは「潜在型かもしれない」という最後の望みからだった。でもルーシェ自身は、期待しないようにしていた。 医術院のZGA術師・ファル・ノクティスの診察で、ルーシェは「潜在型、ZGA可能性あり」と診断された。眠っているだけで、魔力はある。三日間の覚醒期(ZGA)を乗り越えれば、魔力が定着する。ファルが「やるか」と問い、ルーシェは「はい」と答えた。 一日目。表層の魔核核に刺激が入り、微弱な反応が出た。手のひらに小さな光の粒。すぐ消えたが、ファルが「出たことが重要だ」と言った。その言葉が、ルーシェの中で何かを変えた。 二日目。嵐のような日だった。高熱と意識の混濁。過去の記憶が押し寄せた。「魔力がない」と言われ続けた十九年。婚約破棄。家族の視線。「必要のない子」という言葉。ファルが傍を離れなかった。術を送り込み続け、名前を呼び続けた。危機の頂点で、ルーシェは叫んだ——「私はここにいる」。その瞬間、魔核核が全開放に向けて動き出した。二日目の夜明け近く、熱が引いた。ルーシェはファルの手を握っていた。 三日目。定着の日。ルーシェが「魔力のなかった自分も、自分だった」と受け入れた瞬間に、魔力が定着し始めた。ファルがルーシェの手を握り、魔核核の完成を確認した。 ZGA後、魔力ランクが予想を超えていた。ルーシェは「学びたい」と初めて自分の願いを言った。医術院の研修生として残ることになった。三ヶ月後、ルーシェの手のひらに光が灯った。今度は、消えなかった。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/09/13
  • 現在の作品目覚めの三日間、魔法が生まれるとき