あらすじ
「その腕は、絶望を貫く刃か。それとも、呪いを継ぐ鎖か」
白磁と真鍮に覆われた天上界「高天原(たかまがはら)」。
その廃棄物を喰らい、人々が泥の中で生きる「下界(ハイヴ)」。
二つの世界は、中央演算アマテラスがもたらす絶対的な秩序によって断絶されていた。
高天原の皇太子として生まれながら、「人形」として生きていた少年・カケル。
下界のスラムを這いずり回り、すべてを奪われながらも生き抜いた少年・ヤマト。
本来なら出会うはずのなかった二人は、やがて互いを初めての「友」と呼ぶようになる。
だが、その絆を完璧な秩序は許さなかった。
二人は引き裂かれ、それぞれの道へと消えていく。
そして──三年。
かつての友は、戦場で「敵」として再会する。
下界には、高天原へ牙を剥く反逆組織「遠呂智(オロチ)」が生まれていた。
集ったのは、皆、高天原によって尊厳を奪われた者たち。
その中心に立つのは、かつて名すら持たなかった少年──ヤマト。
漆黒の義手を携えた彼は、三年前とはまるで異なる姿で、高天原へと刃を向ける。
一方、中央軍「天導府」には、一人の青年が現れていた。
白銀の義手を輝かせ、軍には勝利を、遠呂智には死をもたらす「死神」。
人々は彼を、畏怖とともにこう呼ぶ。
──「白銀の八咫烏(ヤタガラス)」。
三年前、二人に何があったのか。
何を失い、何を背負い、何を選んだのか。
再会した双星を待っていたのは、抱擁ではない。
無情なる、刃の交錯。
奪われた者たちの怨嗟を背負い、高天原へ牙を剥くヤマト。
白銀の義手を携え、かつての友の前に立ちはだかる八咫烏。
同じ傷を知りながら、二人はまったく異なる道を選んでいた。
──自分は、何のために戦うのか。
──この腕は、誰を救うためにあるのか。
白銀と漆黒。
二つの義手が激突するとき、止まっていた運命が再び動き始める。
日本神話×スチームパンクで描く、二つの「正義」が激突する神話SFファンタジー。
※コミカライズを意識した視覚的な構成と、重厚なバトル・心理描写を軸に描いています。