あらすじ
大学を卒業して二年。
山懸結愛、二十四歳。
仕事にもようやく慣れ、怒られることも減ってきた。
後輩から頼られるようになり、会社へ行くことが少しだけ楽しくなってきた。
そんな、なんでもない朝だった。
頭が痛い。
身体が重い。
母には会社を休めと言われた。
けれど今日は、大事な会議がある。
自分が作らなければならない資料もある。
「これでも頼りにされてるんだから」
そう言って、いつものように家を出た。
恋人の佐伯康太。
心配性の母と、口数の少ない父。
会社の同僚たち。
昨日まで当たり前だった人たちとの時間が、
その日を境に少しずつ違って見え始める。
会社へ行くこと。
誰かと食事をすること。
恋人と喧嘩すること。
来週の予定を入れること。
そんな普通のことが、
いつまでも続くとは限らない。
それでも結愛は、
今日を特別な一日にしようとはしなかった。
ただ、普通に生きようとした。
『明日死ぬなら?』
これは、明日が当たり前ではなくなった二十四歳の女性と、
彼女のそばで同じ明日を待つ人たちの物語。