あらすじ
婚約者である伯爵令嬢ルクルに一方的に婚約破棄を突きつけた侯爵令息セドリック。
理由は、彼女が夜な夜な男と密会しているというものだった。
だが実際には、ルクルはただ一人で星空を眺めていただけ。
それでも立場の弱い伯爵家は逆らえず、婚約破棄の責任までルクル側に押しつけられてしまう。
そんな彼女と偶然出会ったのが、王位を息子に譲り、半ば隠居生活を送っていた先王だった。
自由奔放で、婚約破棄されたことすら笑い飛ばすルクル。
そんな彼女と毎晩丘で言葉を交わすうち、先王は次第に彼女へ惹かれていく。
そして、ルクルが冤罪を着せられたばかりか、侯爵家から「育ちが悪い」と蔑まれていたことを知った先王は激怒する。
甥であるセドリックを直接叱りつけ、謝罪を命じる先王。
しかしセドリックは反省するどころかルクルを逆恨みし、とうとう彼女を攫ってしまった。
その夜、先王は長年愛用してきたハルバードを手に侯爵家へ向かう。
扉を壊し、壁を壊し、階段を壊し、屋敷を支える柱まで叩き割る。
結果、侯爵家は文字通り“物理的に”取り潰されることになった。
婚約破棄された令嬢が、二回り以上年上の先王に見初められ、彼女を蔑ろにした元婚約者とその家が徹底的に報いを受ける話。
そして、義務と責任だけで生きてきた先王が、ルクルとの出会いを通して、自分自身の第二の人生と幸せを見つけていく物語。