あらすじ
「君といると、母親と暮らしているような気分になる」
自分のグラスを私に持たせたまま、婚約者は別の令嬢への愛を宣言した。
婚約破棄を受け入れた私に、今度は「誰でもいいから貰ってもらえ」と言う。
けれど、誰でもいいわけがない。
養育院で一緒に本を読むたび、次に会う日が待ち遠しかった。
大きな体で熊の声を練習し、私が直した手人形を、子供より嬉しそうに動かしていた騎士様。
自分からお願いしてもよいのなら、選びたい方は一人だった。
「私と、結婚していただけませんか」
そう告げると、憧れの騎士様は真っ赤になって――。