あらすじ

現代日本から異世界へ迷い込んだ青年、リオ・ハルタ。 勇者でもなければ、剣の才能もない。 そんな彼が働いているのは、死者の部屋を片付け、残された品を遺族へ返す店――《残照堂》。 リオには、一つだけ奇妙な力がある。 《遺品鑑定》。 死者が強い感情を残した物に触れることで、その人物の記憶の断片を追体験する能力だ。 ただし、見える記憶が真実とは限らない。 人は勘違いする。 思い込む。 都合よく記憶する。 だからリオは、死者の記憶だけを信じない。 遺品を調べ、人に話を聞き、残された者たちの想いを辿っていく。 ある日、残照堂を訪れた一人の女性から、 「三日前に死んだ弟の部屋を片付けてほしい」 という依頼を受ける。 弟は魔物と勇敢に戦い、命を落とした――。 そう聞かされていた。 しかし部屋に残されていた一本の安物の剣には、戦った痕跡がほとんどなかった。 そして、その剣に残っていた記憶もまた、ギルドの記録とは食い違っていた。 小さな違和感。 一つの遺品。 一人の死者。 それらを片付けていくうちに、リオはやがて、この世界で二十年前に起きたという「勇者による魔王討伐」の歴史そのものに疑問を抱くことになる。 死者が遺したものを片付ける、異世界遺品整理ミステリー。

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カクヨム2026/09/13
  • 現在の作品異世界遺品整理人 ~死者の記憶を片付けていたら、勇者の歴史がおかしいことに気づいた~