あらすじ

私の名前はファイ。早くに両親が亡くなって、今は暗殺者訓練施設の毒殺科に所属する、8歳女子だ。 私には前世日本の記憶があるが、ぼんやりと覚えている事は、日本の文化と生活、小さい子供を育児していた記憶くらいだ。前世の記憶、使えないものである。 いつも通りに毒殺科の訓練を終えて廊下を歩いていると、窓と反対側の扉から灯りが漏れているのに気がついた。 何となく気になってそっと中を覗いてみると、5歳くらいの男の子達が、ぼんやりと焦点の合わないまま、虚空を見つめている。 ボサボサの髪に、包帯を巻かれた細い手足。顔色は良いとは言えず、ボンヤリと虚空を見つめるその目に、光は無い。 子供は、愛されて。希望に満ちた、そのキラキラとした瞳で、お日様の下を元気に駆け回るもの。 決して、絶望を通り越した感情の無い瞳で、|虚《うつろ》に虚空を見つめる存在では無い。 ああ、これで私の今世は終わったな、とひとり苦笑する。 この子達は、恐らくこの暗殺者訓練施設の総合エリート科、シグマ先輩が教えている子供達だ。 この子達を構い出したら、そのうちにシグマ先輩に目をつけられて、始末されるだろう。 たった8年の、短い人生だった。 でも、命を大事にする前世日本の思想を持っている私は、多分暗殺者には向いていない。早々に暗殺に失敗して殺されたり、自決する事になるだろうから、少し早まっただけだ。 それなら。短くとも、人を殺すより、彼らを生かす人生にしたい。 今世の生き方と覚悟を決めた私は、この子達に、少しでも心を。人間らしさを。取り戻した上で、自分の手で未来を選び取ってもらえるように。子供達の世話をし始めた。

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小説を読もう2026/09/13
  • 現在の作品毒殺科に転生したので、暗殺者訓練施設で3人の子供達を育てます!〜私を殺すはずのラスボスが、何故か楽しげに近寄ってくるのですが〜