あらすじ
寛文三年、土佐藩家老・野中兼山の失脚によって、一族は長い幽閉生活へ追いやられた。
幼くして自由を奪われた娘・婉が赦免されたのは、それから約四十年後。
ようやく門の外へ出た彼女は、幽閉中に学んだ医学の知識を胸に、新しい人生を歩み始める。
そんな婉のもとへ、ある日、病に苦しむ少女と母親が訪れる。少女が飲み続けているのは、鮮やかな赤い丸薬。
薬は本当に効いているのか。それとも、別の何かが少女を苦しめているのか。経験のない婉は、長年患者を診てきた医師たちと向き合いながら、自分の知識と判断を試されていく。