あらすじ
就職活動を終えた大学四回生の千夏は、ひとり北海道を旅する道中、オホーツク海で誰にも言わず名付けた青――「オホーツク・ブルー」を胸に持ち帰る。立ち寄ったセイコーマートで声をかけてきたのは、なにわナンバーの車でフェリーを渡ってきた社会人二年目の康平。大阪で再会し、月に一度会う関係になるが、彼は余裕をなくすと黙って連絡を絶つ人で、千夏もまた、しんどさを言えない人だった。卒業式の夜、千夏は「しんどいときは五秒で言うてほしい」と約束をひとつだけ求めて想いを告げる。入社後、慣れない仕事と沈黙を重ねながらも、二人は少しずつ「五秒」の約束を守り合うようになっていく。不器用な二人が、二年かけて同じ海をもう一度見に行くまでの物語。