あらすじ
魔力量わずか一。加護も才能もない最底辺冒険者・レインは、仲間に見捨てられた古代遺跡の最深部で、一振りの封印剣と出会う。
その剣の真名は《ノア=セラフィム》。
かつて光と闇を同時に宿した原初の剣だったが、封印によって闇の少女《ノア》と光の少女《セラ》へ分かれていた。
「助けて」
その声を聞いたレインは、自分が死の淵まで追い詰められながらも二人の剣を抜き、闇と光の力を受け入れていく。
やがてレインを好きになったノアとセラの恋愛感情が共鳴し、光となって集まった時――かつて一振りだった原初剣の第三の自我、《ノア=セラフィム》が再び顕現する。
別人格でありながら、互いを「別の自分」と認識する三人。
そして三人には、ひとつの異常な性質があった。
レインへの恋愛感情が強くなるほど、際限なく強くなる。
倒せない敵はいない。
ただし、レインが何気なく優しくするたび、三人の愛情は暴発し、少しずつ深く病んでいく。
そんな四人は、自分たちを引き裂き封印した存在を倒すため旅に出る。
そして最終決戦。
レインだけが結界に閉じ込められ、封印者との一騎打ちへ。
死の寸前、敵が残した最後の呪い。
その解除条件は――
ノア、セラ、ノア=セラフィム自身の剣で、愛するレインを傷つけること。
世界最強になった三人にとって。
最後に倒さなければならないものは、敵ではなく。
愛する人を失う恐怖だった。