あらすじ
「私は君さえいればいい」
そう告げた王太子——闇の加護を持つ彼を、俺は拒絶した。
……彼を愛している。
だからこそ、彼の隣に立つことはできなかった。
聖女の末裔でありながら王家と距離を置く、ルーチェ家の人間である俺。
王太子である彼の従者として、俺はずっとその隣にいた。
けれど、闇の加護を持つ彼が王となるには、強い後ろ盾を必要とする。
俺が彼と共にある未来なんて、最初から存在しない。
……そう信じていた。
——前世でプレイしていた乙女ゲームの記憶を思い出すまでは。
ゲームの中で、王太子は孤独だった。
たった一つの幸せな結末を除けば、誰にも救われることなく、「唯一」を求め続ける。
その唯一が誰なのか——俺は知っている。
けれど、乙女ゲームが始まる頃には——俺はもう、この世にいない。
彼を遺して死ぬ。
それが、俺に与えられた運命だった。
……そんな未来を、受け入れられるわけがない。
もう、シナリオに従うだけの良い子ではいられない。
愛する人の未来を変えるため。
彼の幸せを守るため。
——“死に確”の運命なんて、知ったことか。
規格外の光魔法を操る魔法オタクは、愛する王太子を幸せにするため、乙女ゲームの運命を蹴散らすことを決意する。
……ちょっとだけ、やらかしながら。