あらすじ
ノリに乗った奴は止められない。
獣人の族長であるグラサンした父の口癖である。
その突き立て親指は小刻みに震えている。
派手な服から想像のつかない情けなく小さな背中から、苦笑いで頼りない顔が想像できる。
ワイルドに決めたであろう立ち姿は恐怖を隠しきれず、魔王討伐のため勇者パーティについて行くことを決めた。
そんな情けなく頼らない奴だが、獣人の族長たらしめる何かを彼は持っていた。強いわけでもなく、弱いわけでもない。統率力、威厳、尊厳もへっぴり腰の前では無になる。
そんな旅だった背中を最後に見た5歳の俺は、いつも通り帰ってくると心では思っていた、、、。