あらすじ
大学卒業後、高収入を求めて完全歩合制の訪問販売会社に入社したA。
営業を続ける中で、相手の心理を読む力と、人を動かす話術を身につけ、トップセールスへ成長していく。
しかしその一方で、
「結論は?」
「要するに?」
「要点は?」
と人の感情や雑談を無駄として切り捨てるようになり、友人や恋人、家族との関係も崩れていく。
やがてAは、顧客を「数字」として見ていた自分と同じように、会社からも「数字を生み出す人間」として扱われていることに気づく。
会社を辞めれば元に戻れると思ったA。
だが一年経っても、営業で身につけた思考と作り笑顔は消えなかった。
そしてAは、自分が何を失ったのかすら分からないまま、立ち尽くす。