あらすじ
待ちつづけることが、あの子のすべてだった。
魔法使いのルミシャには、友と交わした約束があった。甘いものを食べること。海を見ること。枯れない樹の実を探しに行くこと。紙の隅に並んだリストの、いちばん上には、ルミシャの名前があった。
けれど封印の事故から友を庇ったルミシャは、時間の止まった庭へ落ちる。腹は減らず、夜が来ても眠くならない。季節だけが律儀に巡る庭で、彼女は落ち葉を数えはじめた。
帰るための魔法を編み直し、庭の理をすべて解いて外へ出たとき、街はまるごと入れ替わっていた。二千年が経っていた。
残ったのは、果たされないままの約束と、使うたび自分を削る左手だけ。
※本作はTALESにも掲載しています。