あらすじ

大陸の大国・鏡(キョウ)国の後宮に、一人の妃が入宮した。名は玉玲琳(ぎょく・れいりん)。名門・白家の令嬢として育てられたはずが、実は下町の食堂の娘が「とりかえ」られて送り込まれた替え玉である。正体がばれれば打ち首。だが玲琳には切り札があった——どんな粗食も美味く感じられる鉄の胃袋と、どんな高級料理も再現できる舌と腕。食い意地だけで後宮を渡り歩くつもりが、初夜の膳で妙な苦味を拾ってしまう。 その苦味の意味を知る者がいた。後宮の片隅、洗い場と厨房の間に軟禁された毒見役の女史・蒿(ははき)。先代の毒見の失敗で主家を失い、「死ななかった毒見役」として半ば厄介者扱いされている無愛想な女である。彼女は言った。「その皿に盛られた毒は、妃を殺す量じゃない。——困らせる量だ」と。 誰が、何のために、妃を「困らせる」のか。食いしん坊の替え玉妃と、口の悪い毒見女史。食卓をめぐる後宮の謎を、二人は胃袋と知識で解いていく。やがてその謎は、帝の膳を脅かす大きな陰謀へと繋がっていく——。

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小説を読もう2026/09/13
  • 現在の作品後宮の味見帖 〜食い倒れ妃と毒見女史の事件簿〜