あらすじ
ホームセンターでDIYアドバイザーとして働いていた八島匠(タクミ)は、ある日突然、人間なら数分と生きていられない最悪の魔境『死の樹海』の真っ只中に転移してしまう。
危険極まりない環境……のはずが、タクミが手に入れたのは、手工具で伝説の神木や魔岩をミリ単位で高速加工できる規格外のスキル【極限加工】と、異世界の素材を建材として見分ける【万能資材目録】だった。
「せっかく広大な敷地と上質な木材があるんだ。命の心配より、まずは居心地の良い家を建てよう!」
持ち前のガチな建築・住宅知識とホームセンター愛を爆発させたタクミは、過酷な魔境に理想のマイホーム(ログハウス)を建造しはじめる。
外部の魔気や衝撃波を100%遮断する『二重サッシ(防音・断熱)』。
足元から天国のような温もりを届ける『床暖房』。
魔物を一切寄せ付けない防腐・防虫塗料の『柿渋』。
そして仕上げに、気密性を高めるため玄関の引き戸に『隙間テープ』を貼り、パタンと扉を閉めたその瞬間――家全体を覆うスキル【居住域絶対補正】が発動。敷地全体の風圧も魔物の咆哮も一瞬で消し飛び、完璧な静寂に包まれた『絶対不可侵の領域』が完成した!
一方、国を救う神託を受けて樹海へ踏み込み、満身創痍で倒れ込んできた聖王国の大聖女・フィオナとSランク冒険者のガルド。
二人が目にしたのは、恐ろしい魔城ではなく、異次元の気密構造で暴風や瘴気を完璧に弾き返す謎の建造物だった。
「戸を一筋閉めただけで世界の理を書き換えた……!? あれは空間遮断の神聖結界……!」
「あのお方は……無欲を装い人界に降臨された神か……!?」
玄関の引き戸のスムーズさに慄き、スリッパの温もりに涙を流す二人。
タクミ本人は「ただの快適な我が家」のつもりで日々のDIYやプチリフォーム(Pトラップ配管、網戸、防犯砂利など)を楽しんでいるだけなのに、やってくる異世界の英雄や学者たちは勝手にそれを『古代神聖魔術』『神器』と解釈し、ひれ伏していく。
無自覚なホームセンター中毒男が、ガチのDIY知識で異世界を劇的ビフォーアフター!
勘違いと快適さが加速する、究極のスローライフ・ファンタジー開幕!