あらすじ
鬼が人を襲う江戸の世では、鬼を唯一祓える存在である『祈りの巫女』が日の本の平和を護っていた。
九条清継は、その祈りの巫女である妻の小夜が鬼討伐の遠征隊に選ばれたため、彼女が無事に帰ってくるのを一年間待ち続けていた。
しかし帰ってきた小夜が告げたのは——『私と離縁して』。
遠征中、祈りの巫女を守る役目を担う『護衛の武士』であった男と恋に落ち、子を身籠った小夜は
清継を捨て、護衛の武士と新しい人生を始めたのであった。
清継は失意の中、町外れの山にある神社へ向かう。
そこは小夜の兄である御門憂景が神主を務める神社で、日の本で唯一、『祈りの巫女』を輩出している特別な場所だった。
小夜と幼い頃からの許婚であった清継は、憂景とも幼馴染であったものの
小夜と夫婦になってからの二年間は疎遠になっていた。
清継は憂景に、小夜が背負ってきたものの重さを知るために自分も祈りの巫女となりたいこと。
鬼から民を守ることで、これからの生に意味を見出したいと訴える。
しかし憂景から返ってきたのは、
「男は『祈りの巫女』にはなれない」
という答えだった。
その答えに納得できなかった清継は
どうして男では祈りの巫女になれないのか、どうすれば自分も修行をつけてもらえるのかと食い下がる。
すると憂景が教えてくれたのは驚くべき真実だった。
鬼を祓える祈りの力を持つのは、本来、御門家の血を引く直系のみ。
しかし世間で活躍する祈りの巫女たちは、御門家の血縁ではない。
どうやって彼女たちが祈りの力を宿したのかというと、
神主である憂景の精を体内に取り込んだ為である——
つまり「祈りの巫女となるためには、僕と閨を共になければならない」と説明した憂景に、清継は告げた。
男同士であっても体内に取り込む方法があるならば試したい。
祈りの巫女になれるのであれば、憂景と閨を共にする覚悟がある——と。
憂景を説得して修行巫女の仲間入りを果たし、修行中の個性豊かな巫女たちとの共同生活を送るようになった清継。
だが鬼は、新たな居場所を見つけた清継を奈落の底へと突き落とす。
悲劇が彼らを襲い、鬼という存在そのものへ踏み込んだ時、清継は『鬼の正体』に触れ——
※表紙および挿絵に生成AIを利用しています。
本文はすべて自身で執筆した内容です。