あらすじ
~登場人物の紹介とあらすじ~
i)登場人物の紹介
克弥(かつや)
自分の感情を大切にしながらも、行動は慎重に計算する高校三年生。物事を疑い、記録し、筋道を立てて考える。本作の主人公。
孝寛(たかひろ)
意志が強く、目標を決めれば計画的に突き進む。仲間との関係にも「守るべき形」を求めがちだが、五人の中では行動力の中心となる。
里恵(りえ)
高い集中力と洞察力を持つ、穏やかな少女。小さな違和感を見逃さず、古い絵本と青い紐の謎を解く重要な手掛かりを見つけていく。
裕文(ひろふみ)
変化を素直に受け入れ、誰かのためなら迷わず動く性格。仲間と一緒に何かを成し遂げることを喜ぶ一方、自分を後回しにしすぎるところがある。
晃史郎(こうしろう)
目標設定が得意で、失敗や批判にも必要以上に動じない。自分だけで決めつけず、仲間の意見を聞きながら進む調整役。
ii)あらすじ
高校三年の秋。
駅前再整備に伴う地域史調査で、克弥たち五人は使われなくなった古い神社の倉を整理していた。
そこで見つけたのは、
『きいろいでんしゃとあかいばす』という古い絵本と、一本の青い紐。
何気なく青い紐を手にした五人は、
「明日の十六時までに、全員ここへ戻る」
と約束する。
翌日。
一人だけが、どうしても約束の時間に間に合わなかった。
その直後、約束を破っていないはずの別の仲間の身体に異変が起きる。
調べるうちに五人は気づいていく。
青い紐は、約束を守らせる道具ではない。
約束が破られれば、事情も、善意も、不可抗力も考慮しない。
そしてその代償は――破った本人ではなく、本人が最も信頼している誰かへ向かう。
さらに、同じ町では三十年前にも、黄色い電車と赤いバスに乗った二人が、ある約束を果たせずにいた。
なぜ絵本は神社に残されたのか。
青い紐の結び目には、何が記録されているのか。
そして一度破られた約束を、ほどく方法はあるのか。
卒業を前に、それぞれ別の未来へ進もうとしている五人。
友情とは、相手を縛ることなのか。
信じるとは、絶対に裏切らないと誓うことなのか。