あらすじ
裕福な家に生まれながら、家にはいつも自分一人。そんな沢渡凪(さわたりなぎ)の心を繋ぎ止めていたのは、憧れのロックバンド「Lou」の音だけ。でもそれは同級生の波多奏斗(はたかなと)と出会うまでのことーー。
屈託なく笑うその同級生は、あっさりと凪の警戒心を越えてくる。温かい家族、賑やかな友人たち、そして今まで知らなかった「好きになる」という感情——奏斗と過ごす時間は、灰色だった凪の世界に、少しずつ色を灯していった。
けれど、誰にも言えない過去への罪悪感が、凪の心の奥に影を落とす。奏斗もまた、これまで誰かを本当に好きになったことがなかった自分に戸惑いながら、凪だけに芽生えていく独占欲に気づき始めていた。
ある夏の夕立の夜、抑えていたはずの想いが堰を切る。気まずさに一度は距離を置いた二人だったが——それでも、確かめ合った気持ちは消えなかった。二人は、波の音に包まれながら恋をはぐくむ。
大きな対立も、劇的などんでん返しもありません。彼らとその周りの穏やかに互いを想う様子が少しでも感じられたらと思います。
※「Stole The Sun」の和山斎(Lou)がここでも登場します。
※⑩、⑪のサイドストーリーは年齢制限をして別途投稿します。