あらすじ
第三次世界大戦の終結後、地球は深刻なエネルギー危機に陥った。かつての国家は崩壊し、世界を支配するのは、極限の合理性を追求する巨大計算機ネットワーク「大東亜統括局」。そこでは、人間の命すらも「国家エネルギー効率」の数字として計算され、無価値とされた下層住民は日常的に融解・エネルギーへとコンバートされる残酷なディスピアだった。極東セクター(旧日本)の廃墟で、ヨレヨレの赤ジャージを着て、1玉98円のキャベツのタイムセールに命を懸ける極貧少女――神野 宗矩(かみの むねのり)。彼女の正体は、かつて統括局が開発した最高人型兵器であり、日本史の剣豪「柳生宗矩」の戦闘思考を植え付けられた、空間磁場閉じ込め方式「トカマク型核融合」の能力者だった。1億度のプラズマの刃を振るえば、敵の肉体は一瞬で沸騰・破裂し、同時に己の神経細胞も焼き焦げていく等価交換の地獄。戦うたびに寿命を削り、凄惨な現実と罪悪感に心を蝕まれながらも、宗矩は「明日のジャンプを読むため」「今夜の家計簿を合わせるため」というあまりにも世俗的でくだらない理由(ギャグ)を盾にして、絶望的な世界に抗い続ける。しかし、彼女の元に、統括局が放った最強の刺客たち――かつて歴史を彩った英雄や組織の戦闘思考(遺伝子)を組み込まれた「新選組」「織田信長」のサイボーグ執行官たちが次々と襲来する。科学の法則(物理・熱力学)の縛りの中で、血と肉が焦げる泥泥の心理戦・消耗戦の幕が上がる。