あらすじ
黒月朔《くろづきさく》、十七歳。
彼には、二つほど人には言えない秘密がある。
一つは、前世の記憶を持っていること。
そしてもう一つは――この世界では存在するはずのない、漆黒の魔法を使えることだった。
幼い頃にその力へ目覚めて以来、朔は十年以上もの歳月をかけて独学で魔法を研究してきた。
そんなある日、彼は一人の少女と出会う。
白峰希《しらみねのぞみ》。
そして彼女の前に現れた、小さな不思議な生き物――ルル。
その二人を見た瞬間、朔はようやく気づく。
ここは前世で大好きだった魔法少女アニメ、
『希望の魔法少女 ルミナ☆ハート』
の世界なのだと。
これから起こる出来事を知っている。
誰が仲間になり、どんな敵と戦い、そして――誰に、どんな運命が待っているのかも。
物語を壊さないためには、何もしない方がいい。
そう考えていた朔だったが、アニメでは描かれなかった危機を目の前にして、その決意はあっさりと覆される。
「原作がどうとか――目の前の人間を見捨てる理由になるかよ」
漆黒のローブを纏い、仮面で素顔を隠し、彼は名乗る。
正体不明の魔法使い――《オリジン》。
これは、物語の未来を知る一人の魔法使いが、
希望を胸に戦う魔法少女たちと出会い、
やがて自分の知る「未来」さえも変えていく物語。