あらすじ
王太子の婚約者として、十年間すべてを捧げてきた侯爵令嬢リディア・レーヴェン。
しかし王立学院の卒業祝賀会で、彼女は王太子エドガーから突然婚約破棄を宣言される。子爵令嬢ミレーヌへの嫌がらせや毒殺未遂という、身に覚えのない罪まで着せられたリディアは、感情的に弁明することなく王太子との決別を選んだ。
王都を離れたリディアは、亡き母が残した月白離宮で、行き場を失った女性たちのための工房を再建する。王太子妃になるために学んだ知識を自分自身の意思で使い、少しずつ新たな人生を切り開いていくリディア。そんな彼女を支えたのは、兄の親友であるカイル・アルヴァレス辺境伯だった。
やがて婚約破棄の裏に、王位継承と王都の食糧危機を利用した巨大な陰謀が隠されていたことが判明する。さらに、リディアを陥れたはずのミレーヌが助けを求めて月白離宮へ現れる。
裏切った者を許すのか。
自分を捨てた王子と、どう向き合うのか。
そして、何も失った自分に手を差し伸べてくれた辺境伯の想いに、どんな答えを出すのか。
これは王子に選ばれなかった侯爵令嬢が、復讐ではなく自らの意志で人生を選び直し、自由と仕事、そして対等な愛を手に入れるまでの物語。