あらすじ
王太子エドガーを支えるため、十年間にわたって厳しい教育を受けてきた公爵令嬢リディア。
しかし卒業記念舞踏会の夜、彼女はエドガーから突然婚約破棄を告げられる。理由は、光魔法を持つ男爵令嬢マリアをいじめ、毒まで盛ろうとしたというものだった。
身に覚えのない罪を次々と論破したリディアだったが、エドガーは「マリアが嘘をつくはずがない」と聞く耳を持たない。
すべてに見切りをつけたリディアは、婚約破棄を受け入れ、王太子のもとから去る。同時に、公爵家が王太子へ提供していた資金、人材、馬車、魔道具、そしてリディア自身による執務の代行をすべて引き揚げた。
自由になったリディアは、西大陸連邦の公爵クロードから能力を見いだされ、海運保険制度の設計を任される。自分の知識が初めて正当に評価され、新たな人生を歩み始めるリディア。
一方、彼女を失った王太子宮では、たった一枚の書類すらまともに処理できないエドガーと、努力を嫌うマリアによって混乱が拡大。国庫は底をつき、食料価格が高騰し、ついには民衆の暴動まで発生してしまう。
さらに、聖女を名乗り始めたマリアの背後には、王国そのものを乗っ取ろうとする黒幕の存在があった。
荒廃した祖国を救うため、リディアはクロードとともに王都へ帰還する。
濡れ衣の真相。
偽りの聖女。
王太子を操っていた陰謀。
すべてが明らかになったとき、エドガーは自分が捨てたリディアへ復縁を迫る。
だが、彼女の答えは決まっていた。
「王冠に興味はございません」
これは悪役令嬢と呼ばれた女性が、愚かな婚約者を捨て、自分の能力と人生を取り戻す物語。
彼女の幸福こそが、元婚約者たちにとって最大の「ざまぁ」となる。