あらすじ
「セラフィナ、お前は星辰譜をまともに詠唱できぬ役立たずだ」
婚約者ユーリアスに婚約を破棄され、移民船の搭乗名簿からも除名された巫女セラフィナ。だが彼女は前世で宇宙開発機構のシステム解析官だった記憶を持ち、ある真実に気づいていた。
この世界の『魔法』は失われた古代科学であり、神殿は千年前に祖先を運んだ恒星間移民船――魔導方舟。そして人々が向かう〈約束の惑星ネオ・エデン〉は、航行ログにこう記されていた。
【生存不可・大気組成崩壊・恒星寿命末期】
専門用語で言えば、死の星。
喚かない。縋らない。追放されるなら、真実を告げる義務もない。セラフィナは真実を胸に秘めたまま、静かに神殿を去る。
荒野で行き倒れかけた彼女を救ったのは、冷酷無比と噂される竜人の将軍ガルヴィス。無口な彼が最初にかけた言葉は――「腹は、減っているか」。
やがて解き明かされる、方舟計画に隠された衝撃の秘密。祖先はこの惑星に『辿り着いた』のではなかった。彼らは、あるものを封印し、監視するために送り込まれていた――。
真実を知る者だけが生き残る。役立たずと蔑まれた巫女が紡ぐ、静かなる逆転と、寡黙な竜人将軍との出会いの物語。
本当の物語は、ここから始まる。