あらすじ
孤児でありながら特異な魔力を見出され、王城の地下で身を削って『瘴気』の浄化を続けてきた真の聖女、リリィ。
しかし、新たに実権を握った愚かな王太子は彼女の苦労を知らず、擦り傷を治せるだけのリリィの義妹を「真の聖女」と呼び、リリィを偽物と断じて婚約破棄と処刑を宣告する。
地下牢へ投げ込まれ、ついに過酷な浄化の日々から解放されたリリィ。すべてを諦め静かに目を閉じた彼女の前に現れたのは、隣国の若き魔術師長・ノアだった。
「お迎えに上がりました。私の、たった一人の女神」
彼は6年前、リリィが身の危険も顧みず無償で命を救った青年だったのだ。
リリィを冷酷なまでに鮮やかな手口で救出し、隣国へ連れ帰るノア。
一方、浄化の要であったリリィを失った王城は、溢れ出した瘴気に飲み込まれ地獄と化す。今更リリィに泣きつこうとする愚かな王族たちだったが、すでに隣国によって「王城だけを包み込む結界」が張られ、完全に逃げ場を失っていた。
これは、誰からも愛されなかった不遇の聖女が、過保護で少し重い愛情を持つ隣国の魔術師長に溺愛され、最高の幸せを掴むまでの物語。