あらすじ
「レオン。今日限りで、お前を『蒼天の剣』から追放する」
戦闘能力を持たず、《鑑定》しかできないレオンは、五年間所属した冒険者パーティーから役立たずとして追放されてしまう。
彼の鑑定結果は、なぜか他の鑑定士とは違っていた。
武器を見れば材質や劣化状態、寿命、さらには改善方法まで表示される。
しかし周囲からは「デタラメな鑑定」としか思われず、レオン自身も自分の能力がおかしいとは考えていなかった。
王都を離れ、静かに暮らそうと辺境の村へやってきたレオン。
そこで何気なく道端の石ころを鑑定すると――
【名称】黒曜竜晶
【分類】神話級魔力結晶
【市場推定価格】測定不能
「……は?」
さらに、その辺に生えている雑草は一本金貨二百枚。
川辺の石は金貨四百枚。
そして村の少女によれば、山の洞窟には黒曜竜晶が「壁も床もぜーんぶ」あるらしい。
どうやらレオンの《鑑定》は役立たずどころか、誰も知らない物の本当の価値を見抜く規格外の能力だった。
これは役立たずとして追放された鑑定士が、辺境で静かに暮らそうとするだけなのに、希少素材を発見し、武器を改良し、村を発展させ、いつの間にか国すら無視できない存在になってしまう物語。