あらすじ

三年間、俺はあの人と一度も目が合ったことがない。 篠宮。中学が同じで、高校でも二回クラスが同じになって、その三年のあいだ、廊下ですれ違うとき、向こうの目は俺の肩の少し上を通っていった。嫌われているとは思わなかった。嫌うには、まず認識しないといけない。 帰り道のアーケードで、前を見ていない自転車が、前を見ていない女子の背中へ真正面から近づいていた。間に合わないな、と思ったのと走り出したのは、たぶん同時だった。 二人で倒れ込んで、顔を上げたら、三年ぶりに目が合った。 助けたのは、俺を三年間無視し続けてきた本人だった。 翌日から、彼女は毎日、俺の席へ来るようになる。礼を言うために。ただし毎回「あの」で始まって、毎回途中で止まる。 ――そして、俺の名前を一度も呼ばない。 ざまぁも派手な逆転もありません。礼を言えない人が、礼を言おうとし続ける話です。

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小説を読もう2026/09/12
  • 現在の作品俺を三年間無視し続けたクラス一の美少女を助けたら、お礼を言うために毎日話しかけてくるようになった ~ただし彼女は、俺の名前を一度も呼ばない~