あらすじ
「聖女など、祈るだけの無能な置物だ」
婚約者である第二王子レイナルドは、そう言い放った。
前世は外資系でマーケティングを回し、隙間という隙間を埋め続けて、過労死した元バリキャリ・凛子。恋も、時間も、全部仕事に持っていかれた。
転生先は、異世界でただ一人の【鈴蘭の聖女】エレノア・ヴァルト侯爵令嬢。
今度こそ静かに、目立たず、楽に生きる。そう決めたのに。
手書きの魔法陣。毎朝同じ場所で渋滞する配膳の列。重い荷を一人で運ばされる下働きの少女。
——気づいてしまったら、放っておけない。
夜、こっそり。侍女だけを共犯にして始めた、おせっかい。
誰にも知られずに終わらせるつもりだった。
けれど、聖女を毛嫌いしていたはずの第二王子は、この国の隙間を埋めるために走り続けている男だった。
「あんな女だったか」
ハッピーエンドです。