あらすじ
家事とパートに追われ、妻や母としての役割の中で自分を見失っていた四十三歳の井上由美は、高校の同窓会で斎藤悠真と二十五年ぶりに再会する。かつての夢や痛みを覚えている彼との交流に心を救われ、諦めていた絵を再び描き始める由美。互いに家庭を持つ二人は惹かれ合うが、息子に嘘をついたことを機に、関係を終わらせようと決意する。最後の一日、糸島の海などを巡り、想いを確かめながらも別れを選び、連絡先を消す。喪失と罪悪感を抱えつつ、由美は絵を描き続け、家族にも自分の気持ちを伝えるようになる。やがて絵の仕事や作品展にも挑戦し、あの日を自分を取り戻すきっかけとして胸に収め、平凡な日々の中に自ら光を見いだしていく。