あらすじ
王命を受け、迷宮に苦しむ街へ先遣隊として送り込まれた、善属性の義賊コルン。
彼に与えられた任務は、迷宮を調査し、その脅威を探ること。
ところがコルンが目をつけたのは、魔物や宝箱だけではなかった。
壁に生える薬草や苔。
魔物が落とす爪や角。
壊れた武器。
使われなかった矢。
解除した罠の木材や金具――。
「欲しがる人がいるなら、これも商品になるよね?」
迷宮を「エサの見本市」と呼ぶコルンは、拾えるものを片っ端から持ち帰り、薬屋、道具屋、鍛冶屋、細工屋、さらには宝飾屋まで、新たな販路を次々と開拓していく。
そんな彼のもとには、堅実な重戦士ガルドや、徹底して魔力と矢を節約する王宮司祭アメリアも加わり、いつしか本格的な先遣隊が出来上がっていく。
しかし迷宮では、小鬼が罠を修復し、未知の転移魔法陣が生き物をどこかへ送り、旧採掘場では巨大な何者かが落石罠を元に戻していた。
この迷宮には、何かがいる。
それでもコルンは、罠を解除し、素材を拾い、情報を買い、街へ持ち帰る。
これは――
魔物を倒すだけでは迷宮を攻略しない義賊が、拾った素材と人との縁を積み重ねながら、迷宮の秘密へ迫っていく物語。