あらすじ
■あらすじ
不死の体を持つ男・高篠藤巳は、殺し屋に“殺される”ことで依頼人を守る「殺され屋」だ。大学の卒業式当日、「偶然」出くわしたストーカー事件で命を落としたはずの彼は、自らの不死性を知ることになる。
その後、特殊メイクと裏社会の知識を持つ特別掃討式課(通称:掃式)に所属していた殺し屋・指揮嶋鳩子と出会った藤巳。彼女の身代わりとなって“死んだ”ことをきっかけにバディを結成。自らの痛みと再生を代償に、他人の死を肩代わりする裏社会へと踏み込んでいく。
そんな中、浮かび上がる萩尾山の「五人殺人事件」。一見無関係に思われたその猟奇事件こそが、あの卒業式のストーカー事件と深くつながっていく。巧みに計画された復讐へと、物語は加速する。
■登場人物
高篠藤巳(たかしの ふじみ)
不死の体を持つ男。殺されても再生・復活する特異体質を活かし、「殺され屋」として他人の身代わりを務める。生への執着が薄く常に淡々としているが、ひとたび興味を抱いた謎や怪異に対しては、自らの死すら厭わず突き進む。
指揮嶋鳩子(しきしま はとこ)
特殊メイク技術を持つ大学院生。かつて殺し屋の訓練を受けるも離脱し、現在は追われる身。藤巳の不死性にいち早く気づき、身代わりを依頼する。冷静さと大胆さを併せ持つ。
狩之矢常夜(かのやじょうや)
殺し屋時代の鳩子の教育係。ある事情で組織から追われ、闇医者による整形外科手術と、鳩子の骨格矯正で別人に変えられる。住居兼喫茶ハンターの店主となり、鳩子を護る。常に見たものしか信じられない。
真田修二(さなだ しゅうじ)
警視庁の最暗部組織、特別掃討式課(通称・掃式)を率いる課長。国家公認の暗殺と超法規的粛清を冷酷に執行する。
須藤美紀(すどう みき)
藤巳が最初に助けた女性。ストーカー事件自体を仕組んでいた張本人。
重田則定(しげた のりさだ)
美紀に利用されたストーカー男。藤巳を刺した実行犯。
■世界観
この世界には、標的を消す殺し屋が存在する。殺し屋の対極、“死を肩代わりする”殺され屋もただ一人存在する。不死という異物・高篠藤巳が、元殺し屋の特殊メイク技師・指揮嶋鳩子とともに、人間の狂気に巻き込まれながら、生きることと痛みの秩序そのものを揺るがしていく。自らの肉体を代償に「他人の死」と対峙する、ダーク・サスペンスミステリー。