あらすじ

警視庁刑事部捜査一課長・堀越殿のもとへ、一通の長い手紙が届く。 本郷区のアパートで殺されたタイピスト、松村美津子。 警察は、事件直前に彼女と争い、その後姿を消した青年を追っていた。 だが、手紙の差出人は断言する。 ――彼は犯人ではありません。私はそれを見ていました。 向かいの下宿から独逸製の望遠鏡で、事件の一部始終を眺めていたという男。 帰宅時刻、食事、電話、恋人との諍い、髪を梳いた回数、そして洋服箪笥に起きた僅かな異変。 その異常なほど詳細な「証言」は、やがて警察の知らない真犯人を指し示してゆく。 しかし、事件の真相を語り終えても、男の手紙は終わらない。 「私はただ、見ていただけであります」 江戸川乱歩『堀越捜査一課長殿』に捧げる、書簡体探偵怪奇譚。 佐倉陽介さんの企画『江戸川乱歩企画 ――探偵と怪人の世界へようこそ』参加作品です。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/09/12
  • 現在の作品再び堀越捜査一課長殿