あらすじ
能力のすべてを電脳の世界に預けた人類。
手に持つ端末ですべてを知れる。
声に要望を乗せれば、それに答えて変わりの機械がすべてこなしてくれる。
技術、知恵、知識。
そんなものを持ち合わせずとも、生きていけた。
生きていけてしまった。
だから、電脳の世界が壊れるなんて想像できない。
だからこそなのかもしれない。
――世界最大の大陸。
その大陸をすべて巻き込む事態が発生する。
人類に命じられて機械が奔走した。
だが解決策は電脳世界にはない。
何せ、誰もその対策を練らなかった。考えなかったから。
それでも知らないなりに機械は考え、一つの解決策を編み出した。
……しばらくして――――
大陸の半径ほどが爆心地となる大きなクレーターが中央にできていた。
人類の九割を亡くし、大陸の外周部で細々と生き残った者たちがいた。
被害は大きく、まともな建物なんて立ってはいない。
それでも生きようとした。
でも、どうやって生きればいい?
その答えを誰も持ち合わせていない。
電脳から切り離された端末を手に答えを求める―――。
――――それから100年。
何とか生きながらえた人類は、悪戦苦闘しながらも生きていた。
電脳の欠片となった端末を使い、知識を得、知恵を絞り生きる術を習得していった。
次第に技術を身に着けた職人も生まれる。
それでも限界はあった。得られる知識に偏りがある。
それに、電脳の欠片となった端末の寿命だ。
寿命を迎え、起動しなくなった端末は数知れず。
近場の探索は終えてしまった。
だからこそ、大陸の中央にはきっと……今までになかった知識や知恵が眠っているはずだ。
それらを探しに向かった一人の青年がいた。
そこで彼が目にしたものは、希望か絶望か。はたまた、真実か。