あらすじ
14年前、突如現れた異界の門から溢れ出したモンスターたちによって、現代文明は崩壊した。人類には抗いようのない魔法という超常現象――「神の業」の前に、東京は蹂躙され、人類の三分の一が失われた。
主人公・隼人は、魔人の父と人間の母の間に生まれた、己の出自を知らぬ少年である。赤ん坊の時に街で拾われ、15歳の時に育ての親をモンスターに殺された彼は、若き校長・鈴花が運営する「剣士養成高校」の寮へ隠れ住むことになる 。そこは、銃弾という「点」の打撃を弾き、超再生を誇る怪物たちに対抗するため、唯一「核」を断ち切れる「刃」を振るう若者たちの訓練場だった。
しかし、鈴花が隼人に握らせたのは剣ではなく、使い古された「木べら」だった [5]。彼を戦場という名の死地へ送りたくないという彼女の情愛から、隼人は寮で料理や掃除を一手に引き受ける「お母さん」としての役割を与えられる。日々研がれる包丁の刃、スープの火加減、雑巾がけのリズム 。それら平和な技術こそが、最前線で死と隣り合わせの生徒たちにとって、唯一の「帰るべき日常」となっていた 。
運命の日は、突如訪れる。モンスターの群れが街の防衛線を突破し、少女・光が窮地に陥る。彼女を救うため、隼人は鈴花の言いつけを破り、戦場へと駆け出す。そこにあったのは、訓練された剣士ですら手も足も出ない、理不尽な超常現象の暴力だった 。