あらすじ
能力によって将来すら左右される世界。
レイが授かったのは、物に熱や硬さを足すだけの地味な能力――《付与》だった。
出力は低く、できることも少ない。
周囲が派手な能力を見せる中、レイ自身も「外れを引いた」と思っていた。
だが、仲間たちと戦う中で、レイは《付与》の奇妙な使い方に気づいていく。
物を硬くする。
軽くする。
仲間の能力と組み合わせる。
そしてある日――
「分割に、もう一回を足す」
本来なら干渉できないはずの“能力そのもの”にまで、《付与》が届いてしまう。
その瞬間から、普段はやる気のない教師クロウだけが、レイの能力を見る目を変えた。
なぜ《付与》だけが、そんなことをできるのか。
人と魔獣を分けるものは何なのか。
そして、この世界で本当に“足りないもの”とは何なのか。
これは、何かを失わなければ前へ進めない世界で、
落ちこぼれの少年が仲間とともに――
**「無いなら、足せばいい」**
という答えに辿り着く物語。