あらすじ
これは、世界最強の三人と、その隣に立てなかった一人の物語。
星歴一〇〇九年。
人々へ星能の源となる星脈を与え、自然に安寧をもたらす白き星――幽星。
星脈を通じて現実へ発現する超常の力は「星能」と呼ばれている。その力を生まれながらに宿す者は「ギフト」、鍛錬と経験の果てに目覚めた者は「クラフト」に分類される。
国立星律士官学校を同年に卒業し、物理系、精神系、環境系の頂点へ立った三人の女性。
物理系最強の獅堂空。
人の心へ干渉する九条桜。
七柱の自然神を宿す天城・イワノワ・碧。
国家星能防衛本部直属の三隊を率いる彼女たちは、畏敬を込めて「極星のデルタグラム」と呼ばれている。
三人は信頼する副隊長や隊員たちとともに、星能犯罪や災害から人々を守っていた。
しかしある日、昨日まで普通に暮らしていた男が、突如として強大な星能を発現する。
男は自分が操られていることすら知らず、制御できない力に肉体を蝕まれ、最期に謎の言葉を残した。
「あなたにも星はある。開いてあげる――」
相次ぐ異常発現。
暗躍する組織「緋環」。
政府が隠す極秘計画「ギフテッド」。
そして、わずかに赤く染まり始める幽星。
忘れられた神話が現実へ変わるなか、三人はかつての同期――「極星になれなかった男」と再会する。
『幽星、緋に蝕まれし刻、天の衡は失われ、世は相容れぬ二つの理へと裂かれん』
世界を守るため。
そして、道を違えた仲間を連れ戻すため。
極星のデルタグラムは、赤き星の運命へ立ち向かう。