あらすじ
王立学院の卒業記念舞踏会で、第一王子レオナルドから突然婚約破棄を言い渡された公爵令嬢クラリス。
男爵令嬢ミレイユへの嫌がらせや毒殺未遂という身に覚えのない罪まで突きつけられるが、クラリスは動揺しなかった。
「婚約破棄、承知いたしました。では、王国の借金もお返しくださいませ」
完璧な王妃となるため、法律、外交、経済を学び続けてきたクラリスは、証拠と帳簿を使って二人の嘘を次々と暴いていく。さらに、王家が公爵家へ抱える莫大な借金を明らかにし、愚かな王子と虚言を重ねた男爵令嬢に相応の代償を支払わせた。
婚約を解消して故国を離れたクラリスは、その才能を評価した隣国の第二皇子アレクシスに招かれ、帝国の商務長官となる。
新たな通商路を開き、帝国を豊かにしていくクラリス。しかし、その改革によって利益を失った犯罪組織「黒鴉商会」が、彼女を失脚させるために動き始める。
帝都で相次ぐ放火、贋金の流通、第一皇子の謎の病。
陰謀の裏には帝国の財務卿、死を偽装したその娘、そしてクラリスとの復縁を望む元王子レオナルドの姿があった。
一方、かつてクラリスを陥れたミレイユもまた、自らの犯した罪と向き合い始める。欲望にまみれた過去を捨て、今度こそ正しい選択をしようとする彼女がクラリスへ届けたのは、帝国を揺るがす陰謀の証拠だった。
再び大勢の前で断罪される立場となったクラリスは、今度も知略と証拠によってすべてを覆していく。
けれど彼女が本当に望むのは、裏切った者たちへの復讐ではない。
自らの才能を認めてくれる人々とともに国を豊かにし、対等に向き合ってくれるアレクシスと、自分自身が選んだ人生を歩むこと。
これは悪役令嬢と呼ばれた公爵令嬢が、愚かな者たちへ鮮やかな報いを与え、やがて帝国史上もっとも賢明な皇后となるまでの物語。
捨てた宝石は、二度と戻らない。
そして、自分を選ばなかった者の前で輝くことこそ、もっとも幸福な「ざまぁ」なのだから。