あらすじ
母が死んだので、半引きこもり女が一人暮らしします
母が死んだ。
そして私は、一人になった。
これまで母と暮らし、家事の多くを母に任せてきた私は、いわゆる「半引きこもり」。
外に出ることも、人と関わることも、あまり得意じゃない。
そんな私が、母のいなくなった家で一人暮らしを始めることになった。
掃除をして、洗濯をして、買い物をして、ゴミを出す。
銀行へ行き、母が残したものを整理する。
今まで母がやってくれていたことを、ひとつずつ自分でやっていく。
「一人暮らし」なんて言葉にすると簡単だけれど、実際にやってみると、生活するというのは思っていたよりずっと大変だった。
そして、ふとした瞬間に気づく。
母がいなくなったことは、母の部屋が空っぽになったことだけじゃない。
冷蔵庫の中身も。
洗濯物も。
家の音も。
毎日の予定も。
全部、少しずつ変わっている。
母が死んだあとも、私の生活は続いていく。
悲しくても、お腹は空く。
何もしたくなくても、ゴミは溜まる。
眠っていても、朝は来る。
母がいなくなった家で、私は今日も一人で生きていく。
これは、何か特別な才能があるわけでも、人生を華々しく変えるわけでもない、半引きこもりの女が、一人で生活することを覚えていく物語。
たぶん今日も、たいしたことは起こらない。
でも、昨日までとは少し違う一日が始まる。