あらすじ
七歳のユリウスは、帝国を支える十三王家の一つ、カルディス家の第二子として生まれた。
彼には別世界で生きたらしい記憶と、この世界の身分制度への小さな違和感がある。精霊との契約の日、そんなユリウスを選んだのは、問えばあらゆる事実を答える〈全知の大精霊〉だった。
しかし全知であっても、人の心や、まだ決まっていない未来、存在しない答えまでは知ることができない。力を正しく使うには、ユリウス自身が「何を問うべきか」を考えなければならなかった。
六年先を努力で進み続ける姉リヴィア。
治らない病を抱え、未来を諦めかけている少女エレナ。
明日を選ぶ機会さえ与えられない孤児たち。
ユリウスは知識と力で彼らを救おうとする。だが、その善意と功績は、やがて姉との後継争いや帝国の秩序まで揺らしていく。
そして東方から、愛と苦痛を武器にする二人の精霊契約者が現れ――。
正しい答えを知るだけでは、人は救えない。
知ること、選ぶこと、そして力を誰のために使うのかを描く、異世界転生ファンタジー。