あらすじ
八十歳の元内閣総理大臣、扇源次郎
総理退任後も政界を引退することなく、外務大臣として現役を続けていた彼は、ある日、激務の末に意識を失う
次に目を覚ましたとき、源次郎は見知らぬ世界の赤子になっていた
転生したのは、辺境を治める男爵家の三男、レオナルド
魔法はある。精霊も神もいる
だが、女神から授けられた特別な力も、何でも解決できる万能な能力もない
あるのは、八十年の人生と、半世紀にわたる政治家としての経験だけだった
言葉を覚え、世界を知り、やがて領地の現実を目にするレオナルド
貧しい農村、非効率な制度、難民問題、貴族たちの思惑――
気づけば彼は、前世と同じように人の話を聞き、利害を調整し、制度を作り、人を動かしていた
知識があっても、一人では何も作れない
人を動かし、仕組みを作り、社会を動かす
それこそが、政治家だった彼の本当の力なのだから
これは、政治から離れたはずの老政治家が、長い歴史を持つ異世界で、気づけば再び「政」に巻き込まれていく物語