あらすじ

刑事課で数々の事件を解決し名刑事と謳われた井筒だが、叩き上げで昔気質相手が上司でも筋の通らない事には従わない。しかし、検挙率は群を抜いている。後輩からの信頼は厚いが上層部からは煙たがられていた。ある事件がきっかけになり刑事課から交番勤務に回されそこで定年を迎えた。現在は雑居ビルの二階に事務所を借りて、警備会社の下請けをしている。主な仕事は警備会社が契約している店舗で発生した万引き事件の容疑者を取り調べて警察に引き渡す事だ。ビルのオーナーで喫茶店を経営しているミチルとは良好な関係だが亡くなった妻とは見合い結婚で恋愛に奥手な井筒は次の一手を打てずにいた。娘の凜はずんぐりむっくりの井筒とは違い妻に似て長身の美人だが恋愛に関しては彼同様奥手で浮いた話が皆無だった。たまに本業以外の相談が持ち込まれるが大抵は厄介事だ。今回はかつて刑事課の部下であった永田が訪ねて来る。彼は妻の療養の為、田舎の駐在所に転属すると報告に来たのだが心残りがあると言う。それは刑事としての最後になる事件の受刑者が獄中で自殺した事だった。世間ではスマホ依存症者による異常行動や事件が問題になっていた。自殺した受刑者は重症のスマホ依存症で治療を受けて改善に向かっていたが出勤途中の駅のホームで突如スマホ画面が見えなくなる。禁断症状を起こした彼は再び見えたスマホに表示された指令に従い目の前に立っていたホームの最前列に立っていた男性の背中を押した。その後、同様の事件が全国各地で起こり人々は疑心暗鬼になり駅のホームでは異様な光景が広がるようになる。街中でもスマホの画面が見えなくなったとパニックになり他人のスマホを奪う行為に走る者も現れた。そんな中、永田が失踪した。井筒は同様に警備会社と契約している情報担当の根津幹夫の力を借りて彼を捜し始める。調査を始めた途端、井筒は尾行され襲撃される。なんとか撃退した井筒だが3人の襲撃者は警察官だった。永田の失踪には一部の警察上層部が関わっていると考えていた井筒は、かつてバディーを組んだことのある結城警視を訪ねる。程なくして永田が戻って来てスマホによる指令殺人事件の捜査本部が立ち上がる。本部は雨後の筍の様に乱立しているスマホ依存症脱却セミナーが怪しいと捜査を始める。しかし井筒は精神科で使われている治療法が原因であろうと突き止めた。

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カクヨム2026/09/11
  • 現在の作品スマホ指令殺人事件 見えない恐怖