あらすじ
南極の氷の下から、あり得ない姿をした生物の死体が発見された。
犬の頭、巨大な鳥の翼、そして二股に分かれた魚の尾。
その死体とともに日本へ持ち込まれた未知の「因子」は、人間には何の影響も与えない一方で、動物たちの身体を急速に変化させていく。
やがて判明したのは、因子が引き起こしているものは単なる進化ではないということだった。
強くなりたい。自由になりたい。人間と同じように生きたい――。
因子は動物たちの「願い」を読み取り、それを叶えるために生命そのものを作り替えていた。
そして蓮と暮らす黒い犬・クロにも異変が起こる。
人間の言葉を覚え、自ら考え、行動し始めるクロ。
しかし同じ頃、人間を憎む動物たちもまた、恐るべき進化を遂げ始めていた。
愛された動物と、傷つけられた動物。
人間と獣の境界が崩れていく中、クロが選ぶ道とは――。
そして南極の氷の下には、まだ誰も知らない「進化の正体」が眠っていた。