あらすじ
世界はまだβ版でした—神様、この世界、バグが多すぎます—
~詠唱ゼロで魔法世界のOSを書き換えた女子高生エンジニアのログ~
異世界への転移に、同意した覚えはない。
おまけに魔力は、計測限界以下。
でも、スマホは動く。
相棒のAI〈ノヴァ〉もいる。
「……なら、デバッグからね」
神楽結衣、16歳。
バグを見ると、恐れるより先に修正方法を考えてしまう女子高生。
迷い込んだ異世界〈β-07・━ ━ ━ ━〉では、
人々が無駄ばかりの長い詠唱で魔法を使い、
不気味な「歪魔」が草原を歩いていた。
けれど、結衣の目が捉えたのは——その身体を走る、壊れたコード。
「ノヴァ。あれ、コードが壊れたまま動いてない?」
「はい。バグ具現化体と定義します」
結衣が金の眼差しで観測し、AIアシスタント・ノヴァが解析。
構築し直したプロンプトを、
正しいコードとしてスマホから世界に送信する。
ひとつ直せば、次のバグが生見つかる。
なぜ、こんな処理が残されているの?
なぜ、魔法の知識を誰もが学べないの?
これはバグなのか。
それとも、誰かに都合のいい仕様なのか…
なら、探そう。この世界を書き換える権限を持つ何者かを。
そしていつか、魔法を一部の人間だけのものではなく、
誰もが学び、改良できるオープンソースにするために。
柔らかな声で仕様を問い、正確な命令で常識を崩す。
女子高生エンジニアと律儀なAIの、異世界デバッグ・ファンタジー。
世界はまだβ版でした。
———なら、修正の余地はある。
【話中の用語集はこちら】
https://kakuyomu.jp/my/news/2912051607913200626