あらすじ
高校二年の夏。
僕は、幼い頃から知っている同級生・美月と急に距離が近くなった。
放課後に一緒に帰ったり、
海へ行ったり、
夏祭りで花火を見たり。
特別なことなんて何もない。
それでも、僕にとっては忘れられない夏だった。
「来年も来ようよ」
海辺でそう言った美月の笑顔を、僕はきっと忘れない。
――そう思っていた。
夏が終わるにつれて、美月は少しずつ変わっていった。
返信が遅くなり、
僕を避けるようになり、
そして、なぜか僕の父親について何度も尋ねるようになった。
「お父さんって、どんな人だった?」
「あなたって、お父さんに似てるよね」
その言葉の意味を、僕は知らなかった。
やがて僕の前に現れる、不可解な言葉。
『あなたは何も知らない』
そして、美月のノートに書かれていた一文。
『絶対に許さない』
あの夏の日々は、最初から嘘だったのだろうか。
美月は、僕に何を隠しているのか。
これは、ひと夏の恋から始まった。
僕が、自分の家族と過去を知っていく物語。