あらすじ
38歳、ながと。
高校中退、フリーター。仕事よりもギャンブルを優先し、金がなくなれば友人から借りる。バイト仲間には威張り散らす一方、社員の前では大人しくする。これまでの人生で、本気で誰かを好きになったことなど一度もなかった。
そんな男の人生が変わったのは、コロナが流行し始めた冬だった。
いつものパチンコ屋が閉まっていた。仕方なく街を歩いていたながとは、22歳の会社員・さくらと出会う。
最初の目的は、ただ金を借りること。
しかし、何度も連絡を取り、言葉を交わすうちに、ながとの感情は少しずつ変わっていく。
――俺、こいつのこと好きなんか?
人生で初めて芽生えた、本気の恋。
ながとはさくらと付き合うため、友人たちを巻き込み、自分を変えようとする。だが、さくらには恋愛感情がない。
さらに、ながとの借金、ギャンブル、仕事、過去……二人の間には埋めようのない差があった。
「俺は、こんなに好きやのに」
好きなら、いつか振り向いてもらえると思っていた。
だが、恋は努力だけでは叶わない。
やがて、ながとの前に訪れる人生で初めての本当の失恋。
そのとき彼は、自分がこれまで生きてきた38年間と向き合うことになる。
これは、恋を知らなかった男が、初めて本気で誰かを好きになり、そして初めて「選ばれない」という現実を知る物語。