あらすじ
「美味い飯と酒があれば、大抵の悩みはどうにかなるもんです」
10年の厳しい修業を終え、25歳にして念願の自分の城「小料理屋 結」をオープンさせた女板前・栞。
しかし、気合を入れて開けた表の扉の先は、なぜか剣と魔法のファンタジー世界の路地裏だった。
パニックになる栞だが、店の裏口は今まで通り日本の見慣れた問屋街に繋がっていることに気づく。
日本の業務用スーパーで仕入れた食材と、異世界の未知なるモンスター肉。
ふたつの世界を股にかけながら、栞は今日も暖簾を掲げる。
最初に迷い込んできたのは、激務と中間管理職のストレスでボロボロになった王都の警備隊長。
彼に「だし巻き卵」と「熱燗」を振る舞ったことを皮切りに、万年金欠の腹ペコ魔法使い、キンキンに冷えた生ビールに狂喜する頑固ドワーフ、偏食のエルフなど、ワケありな異世界の住人たちが次々と来店し始める。
彼らが持ち込む異世界のトラブルや日々の疲れを、栞は確かな和食の腕と、気の利いた小鉢で優しく解きほぐしていく。
やがて店は、王都の要人たちが夜な夜な集う「裏会議室」兼「最高のオアシス」へと変わっていき——。
これは、ふたつの世界を結ぶ不思議な小料理屋で紡がれる、美味しいご飯と人情の物語。