あらすじ
「神は、どうして人をこうも脆く作ったのだろう」
顔に一生消えぬ傷を負い、伯爵家の相続争いから外れたあの日から、廃嫡令嬢メルティア・ウィンズディースはずっと考えていた。
命をこれほどまでに軽く、儚く、粗雑に仕立てた造物主とやらの怠慢を。
人はあまりにも呆気なく死にすぎる——。
命の有限とは、彼女にとって唯一にして最大の、赦し難い欠陥だった。
貴族の家督などとうに興味はない。
彼女が欲しいのは、かつて全ての賢者が焦がれ、ついぞ奪えなかった答え——不老不死。
社交性はなく、魔力も人並み以下。
それでも、純粋で邪悪な妄執と好奇心が、彼女を否応なく高みへと押し上げていく。
そしてまた、造物主の落第作を暴くように、生命の極限に手を伸ばす。
エルフの血液検査をしたり、精霊に問診をしたり、ゾンビを持ってかえったり。
ドラゴンの血液検査をするために霊峰を登山したり、吸血鬼を解剖するために常夜の森に踏み入ったり。
マッドに、ダーティーに、どこまでも。