あらすじ

一日に一度、物の性質をほんの少し変える。 それが、ルーカスのスキル《調整》――のはずだった。 前世も今世も、農家の息子。 十八歳のルーカスは、小刀を切れやすくし、麦の種を病気に強くして、畑仕事を早く終わらせる工夫を重ねていた。空いた午後には、やってみたいことがいくらでもある。 ところがある日、王都から研究者が訪ねてくる。 各地で広がる麦の病に、彼の《調整》が関わっているかもしれないという。 自慢していた成果が、誰かを困らせていたのか。 確かめるため、ルーカスは研究者アルベルト、護衛リディアとともに、種の行方を追う調査へ加わる。 試して、比べて、記録する。 すると、長年使ってきた力の「当たり前」が、少しずつ崩れ始めた。 一日一回のはずが、二度使える。見えるようになった数字も、それだけでは説明できないことがある。 道具を直し、知らない町を歩き、三人で食卓を囲む。 研究に夢中になれば夕飯は冷めるし、物の性質が分かっても、隣にいる人の気持ちは簡単には分からない。 それでも、もう一つだけ試してみたい。 小さな工夫と日々の暮らしから、自分の力と世界の仕組みを探っていく、異世界探究ファンタジー。

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カクヨム
カクヨム2026/09/11
  • 現在の作品次の人生に《調整》を ~試すほどこの世界はわからない~