あらすじ

榊原朔人は、人付き合いが苦手なわけではない。 友達とは普通に笑うし、女子とも普通に話す。 困っている人がいれば助けるし、誰かを避けて生きているわけでもない。 ただ――誰とも必要以上に近づかない。 小学生から中学生までの間、朔人は何度も人間関係に傷ついてきた。 好意に甘えられた幼馴染。 告白を周囲に広めた初恋相手。 浮気した元カノ。 別の男子に近づくため、自分を利用した女友達。 必要なときだけ自分を頼った先輩。 親切を下心だと決めつけた後輩。 「もう関わらないで」と言った妹。 自分を悪者と決めつけた、サッカー部の女性顧問。 息子より周囲の言葉を信じた母親。 そして、かつて自分が助けたのに、自分が孤立したときには離れていった少女。 だから朔人は学んだ。 期待しなければいい。 離れていく人間を追わなければいい。 誰かにとって特別だなんて思わなければいい。 人間関係なんて、少し離れているくらいがちょうどいい。 そうして迎えた、高校一年の春。 なぜか、かつて朔人を傷つけた彼女たちが、一人、また一人と失った距離を取り戻そうとし始める。 けれど朔人には、彼女たちを責めるつもりも、復讐するつもりもない。 「別に嫌ってないよ」 それは嘘ではない。 ただ―― 許したことと、もう一度近づくことは別なのだ。 そんな朔人の前に現れたのは、彼の過去を何も知らない一人の少女。 彼女もまた、人を信じることに傷を抱えていた。 失った距離を取り戻したい少女たちと、 誰とも距離を縮めるつもりのない少年。 そして、彼との距離をゼロから作っていく少女。 これは、傷つかないために誰も求めなくなった少年が、 「誰かを信じること」を、もう一度選べるようになるまでの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/09/11
  • 現在の作品俺を傷つけた女子たちが、今さら距離を縮めてくる。俺はもう誰とも近づく気はないのに。