あらすじ
2003年、インドネシアの小さな島、ルンザット。
日本とインドネシア、二つの名を持つ青年・田辺直人――グリフのもとへ、ホジャン島から一人の男がやって来る。
「ゲリラが、この島を新たな拠点にしようとしている」
人口およそ千人。軍の基地もなく、十分な武器もない。頼れるのは漁船と森、そして立場の異なる島民たちだけだった。
父であり島の長でもあるディオとグリフは、漁師、農民、教師、若者たちを集め、島を守るための準備を始める。
しかし、島を脅かすのは銃だけではなかった。限られた電力を漁業と農業のどちらに使うのか。誰かが決めれば、必ず誰かが不満を抱く。
戦うことと、話し合うこと。
命を守る決断と、暮らしを選ぶ一票。
これは、正解のない問いに向き合った青年と、小さな島の人々の物語。